集束超音波治療(FUS)

「あきらめていませんか?」

ふるえはメスや薬を使わずに
治療できる時代になりました。

対象疾患
本態性振戦
  「本態性」は「原因がはっきりしていない」という意味で、「振戦(しんせん)」とは「自分の意志に反しておこるリズミカルなふるえ」という意味です。
   ふるえ以外の症状はありませんが、手のふるえから字が書けなくなる、茶碗やコップなどが持てないなどの症状が特徴的です。治療に関して、軽度の場合は薬で症状を抑えることも可能ですが、症状が重い場合や薬での治療が困難な場合、手術による治療が行われることもあります。
パーキンソン病
   中脳の黒質ドーパミン神経細胞の減少に伴う進行性の神経変性疾患で、特定疾患(難病)に指定されています。振戦(ふるえ)、固縮(*1)、無動(*2)といった運動症状以外に、便秘や頻尿、うつ傾向や不眠などの精神症状、認知症状などの非運動症状があります。*1:手足の筋肉がこわばる *2:手足が動かしにくい 
※まずはかかりつけ医(主治医)へご相談ください。
本態性振戦とパーキンソン病のちがい
  本態性振戦 パーキンソン病
発症しやすい年齢 中高年に多いが、若い人に起きることもあります 中高年に多い
ふるえが起きる部位 手(指先や腕)頭(横に揺れる)、声 手、足、頭
家族歴 ときにあります(家族性振戦ともいいます) ときにあります
ふるえの特徴 動作をしようとするときや、特定の姿勢をとったときにふるえが出ます(速い振戦) 安静にしているときにふるえが出ます(遅い振戦)
ふるえ以外の症状 ありません 動作がゆっくりになる、筋肉が強ばる、姿勢が不安定になる
書字について ふるえで手の動きが大きく乱れるため、文字を書いたり食事をしたりするのは困難です 書いている文字が次第に小さくなります(小字症)
食事について 動作は遅いですが、初期ではふるえは目立ちません
病気の進行 長い年月のうちに少しずつ進行します 少しずつ進行します

   この治療は、「薬物療法で十分な効果が得られない本態性振戦」および「パーキンソン病におけるふるえ、運動症状」の緩和を目的とし、約1000本の超音波を一点に集束し、ふるえの原因となっている脳の一部を熱凝固する治療法です。

集束超音波治療(FUS)とは

集束超音波治療(FUS)とは

切らずに治療
穿孔や機器の埋め込みがなく、メスを使わないため低侵襲な治療法です
放射線被ばくがない
超音波で治療を行うので放射線による被ばくの心配がありません
身体への負担が軽い
治療・入院期間が短く、日常生活に対しての負担が少なくて済みます
長年の実績
名古屋大学医学部付属病院と連携し、これまでに200症例以上の実績を有しております
200症例以上
治療件数推移

集束超音波治療(FUS)の特徴

MRガイド下集束超音波治療器(MRgFUS)中部地区初導入!
期待される効果について
【本態性振戦】
・振戦症状の緩和が期待されます。

【パーキンソン病】
・振戦症状の緩和が期待されます。
・運動症状の緩和が期待されます。(脳深部刺激術が不適応の患者に限る。)
治療の一例(本態性振戦)
※薬物療法の効果が低い方が治療の対象です
※治療の効果には個人差があります
※頭蓋骨の性質や形状、既往歴等により医師が適応外と判断した場合には、できない場合がございます
※この治療に関するリスクや副作用については、当院までお問い合わせください
スケジュール
当院の治療の流れはこちらからご覧ください。
治療に関連するリスクと副作用について
・まれに筋力が弱まったり、指先が非常に敏感になることがあります。
・一時的に歩行が不安定になることがあります。
・治療後一時的にうまく力が入らないことがあります。
・再発することもあり、医師とよく相談して治療にあたってください。
治療ができない場合
・MRIに長時間入っていられない場合
・治療中、医師の問いかけに応答できない場合
・各種検査の結果、治療できない場合もあります。
※頭蓋骨の性質や形状により、医師が適用外を判断した場合は治療ができない場合があります。
よくある質問
自己負担が3割の場合、40万円弱となります。
また、高額療養費控除の対象治療にて還付が受けられますので、入院時にマイナンバーカードまたは限度額適用認定証を提示することで、窓口でのお支払いが自己負担限度額までとなります。
頭を固定するためのフレームを装着する際に、局所麻酔を行います。また超音波照射時に一時的に熱さや痛みを感じる場合があります。患者さんは手に持ったボタンを押すことで、いつでも超音波の照射を止めることができます。
一般的に3~4時間程度です。
治療では約1000本の超音波を一点に集中させますが、それぞれの超音波は弱いものです。
名古屋共立病院 病診連携課
名古屋共立病院 診療予約センター
名古屋大学医学部附属病院と連携して治療を行っております。
医師紹介
名古屋共立病院 集束超音波治療センター

顧問

若林  俊彦   /

センター長

津川  隆彦   /

 

橋田  美紀



下記の新聞記事をクリックしますとPDFをご覧いただけます。

メディアに掲載されました

本態性振戦に対する治療は2019年6月に、
パーキンソン病に対する治療は2020年9月1日より、保険治療が可能となりました。
詳しくは、診療予約センターまでお問い合わせ下さい。