※マスクシステムでの治療適応の可否については医師の判断によります。
名古屋共立病院 名古屋放射線外科センターでは、2004年2月よりガンマナイフ「typeC」を導入、2017年5月に中部地区で初めてガンマナイフ「IconTM」へとバージョンアップをし、脳病変に対する定位放射線治療* を行ってきました。これまで延べ9,500件以上(2024年7月時点)のガンマナイフ治療の実績があり、患者様に対しより安全で負担の少ない、高精度な放射線治療を目指しています。
*定位放射線治療とは
腫瘍・病巣に対して多方向から放射線を集中させ、高精度で照射する方法です。
通常の放射線治療と比較し、周囲の正常組織への線量を極力減少させることが可能です。
より低侵襲となり患者様の負担がさらに軽減
これまでのガンマナイフ治療は頭部へフレームをピン固定する必要がありましたが、新たに導入された「IconTM」では、マスクシステム(※) を採用しており、その必要が無い(フレームレス)ため身体への負担がこれまでより軽減されます。なお、マスクシステムによる治療は外来にて治療が可能です。(症状に応じて、入院となる場合もございます。)
※頭部の固定方法は症例などに応じて医師が治療に最適な方法を選択いたします。そのため、従来どおり、頭部にフレームをピン固定する場合もあります。
大きな腫瘍に対しても、分割照射で治療可能に
新たに導入されたマスクシステム(※)により、今まで治療が難しかった比較的大きな腫瘍や脳幹などリスクの大きい部位に近い腫瘍にも分割照射で治療できるようになりました。治療の幅が広がるだけでなく、高い治療効果が期待できます。なお、従来通りの単回照射も可能です。
※頭部の固定方法は症例などに応じて医師が治療に最適な方法を選択いたします。そのため、従来どおり、頭部にフレームをピン固定する場合もあります。
照射位置を自動補正し、正確な照射を実現
照射位置を実際の患者様の位置に合わせて自動的に補正するシステム(コーンビームCT)を搭載しています。コーンビームCTで実際の治療位置における頭部画像を取得し、治療前にMRI画像を基に立てた治療計画を、CT画像に合わせ込む形で補正し、正確な照射を実現します。
体の動きをチェック、瞬時に照射を停止
照射中は、患者様の頭部位置を正確に捉え、赤外線で追跡するシステム(リアルタイムHDモーションマネージメントシステム)によって、患者様の動きを監視します。
設定範囲を超えて動いた場合は、瞬時に照射を停止し、正常細胞への照射を防ぎます。
切らずに治療
外科手術では困難な脳の深い部分や脳内の重要な機能をつかさどる部位の病変など、大切な機能を温存して治療することができます。
身体への負担が軽い
マスクシステムによる治療の場合、患者様は麻酔無しで治療が可能となります。
ピン固定による治療の場合でも、局所麻酔で治療が可能であることから、全身麻酔での手術が困難な状態の方でも、安全に治療が可能です。
精度が高い
ターゲットへの照射について高い精度が確保され、重要な組織が密集している頭蓋内においても正常な組織に与える影響を最小限にして治療を行うことができます。
長年の実績
ガンマナイフは、1968年にスウェーデンで1号機が導入され約50年の実績があり日本国内でも1991年に臨床導入されてから長年の実績があります。当院でものべ9,500件以上※を超える患者様の治療を行ってきました。ガンマナイフは長期的な効果と安全性が証明されている定位放射線治療機器です。
※2024年7月時点
保険適応
保険収載されており実績のある治療法です。
2015年からは三叉神経痛にも適応が拡大されています。
名古屋共立病院、放射線外科センターでは、日本脳神経外科専門医や医学物理士、診療放射線技師、看護師らさまざまな専門職が協力し、チームとなって治療にあたっています。
2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 |
376件 | 542件 | 580件 | 518件 | 550件 | 566件 | 573件 | 605件 | 560件 | 534件 |
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
569件 | 539件 | 525件 | 477件 | 416件 | 393件 | 297件 | 244件 | 256件 | 210件 |
2024年 |
170件 |
名古屋共立病院 副院長
名古屋放射線外科センター センター長
津川隆彦