中部地区初!ガンマナイフの最新機種「Icon?」導入

脳腫瘍・三叉神経痛を
切らずに治す“最後の砦”

ガンマナイフ「IconTM」が実現する、高精度で安全な治療

ガンマナイフとは、192本のガンマ線を脳内の病変部に集中照射させて治療を行います。
脳腫瘍や、脳動静脈奇形、三叉神経痛などの疾患において、安全で体への負担が少ない治療が可能です。
最新機「IconTM」は、ガンマナイフでは初めてマスクシステムを導入。
これにより、従来のフレーム固定に加え、身体に負担の少ないマスクで顔を覆った治療を行うことが可能(※)となったほか、分割照射による治療を容易に行うことができ、かつリアルタイムモニタリング機能も追加され、安全性も向上しました。

※マスクシステムでの治療適応の可否については医師の判断によります。

名古屋共立病院 名古屋放射線外科センターでは、2004年2月よりガンマナイフ「typeC」を導入、2017年5月に中部地区で初めてガンマナイフ「IconTM」へとバージョンアップをし、脳病変に対する定位放射線治療* を行ってきました。これまで延べ9,500件以上(2024年7月時点)のガンマナイフ治療の実績があり、患者様に対しより安全で負担の少ない、高精度な放射線治療を目指しています。

*定位放射線治療とは

腫瘍・病巣に対して多方向から放射線を集中させ、高精度で照射する方法です。
通常の放射線治療と比較し、周囲の正常組織への線量を極力減少させることが可能です。

対象疾患
脳腫瘍、転移性脳腫瘍、
聴神経腫瘍、髄膜腫、
下垂体腺種など
脳血管障害
脳動静脈奇形など
機能的脳神経外科
三叉神経痛など

より低侵襲となり患者様の負担がさらに軽減

より低侵襲となり 患者様の負担がさらに軽減

これまでのガンマナイフ治療は頭部へフレームをピン固定する必要がありましたが、新たに導入された「IconTM」では、マスクシステム(※) を採用しており、その必要が無い(フレームレス)ため身体への負担がこれまでより軽減されます。なお、マスクシステムによる治療は外来にて治療が可能です。(症状に応じて、入院となる場合もございます。)

※頭部の固定方法は症例などに応じて医師が治療に最適な方法を選択いたします。そのため、従来どおり、頭部にフレームをピン固定する場合もあります。

大きな腫瘍に対しても、分割照射で治療可能に

大きな腫瘍に対しても、分割照射 で治療可能に

新たに導入されたマスクシステム(※)により、今まで治療が難しかった比較的大きな腫瘍や脳幹などリスクの大きい部位に近い腫瘍にも分割照射で治療できるようになりました。治療の幅が広がるだけでなく、高い治療効果が期待できます。なお、従来通りの単回照射も可能です。

※頭部の固定方法は症例などに応じて医師が治療に最適な方法を選択いたします。そのため、従来どおり、頭部にフレームをピン固定する場合もあります。

照射位置を自動補正し、正確な照射を実現

より低侵襲となり 患者様の負担がさらに軽減

照射位置を実際の患者様の位置に合わせて自動的に補正するシステム(コーンビームCT)を搭載しています。コーンビームCTで実際の治療位置における頭部画像を取得し、治療前にMRI画像を基に立てた治療計画を、CT画像に合わせ込む形で補正し、正確な照射を実現します。

体の動きをチェック、瞬時に照射を停止

体の動きをチェック、瞬時に 照射を停止

照射中は、患者様の頭部位置を正確に捉え、赤外線で追跡するシステム(リアルタイムHDモーションマネージメントシステム)によって、患者様の動きを監視します。
設定範囲を超えて動いた場合は、瞬時に照射を停止し、正常細胞への照射を防ぎます。

らずに治療

外科手術では困難な脳の深い部分や脳内の重要な機能をつかさどる部位の病変など、大切な機能を温存して治療することができます。

身体への負担が軽い

マスクシステムによる治療の場合、患者様は麻酔無しで治療が可能となります。
ピン固定による治療の場合でも、局所麻酔で治療が可能であることから、全身麻酔での手術が困難な状態の方でも、安全に治療が可能です。

精度が

ターゲットへの照射について高い精度が確保され、重要な組織が密集している頭蓋内においても正常な組織に与える影響を最小限にして治療を行うことができます。

長年の実績

ガンマナイフは、1968年にスウェーデンで1号機が導入され約50年の実績があり日本国内でも1991年に臨床導入されてから長年の実績があります。当院でものべ9,500件以上※を超える患者様の治療を行ってきました。ガンマナイフは長期的な効果と安全性が証明されている定位放射線治療機器です。

※2024年7月時点

保険適応

保険収載されており実績のある治療法です。
2015年からは三叉神経痛にも適応が拡大されています。

Gamma KnifeRIcon? 中部地区初導入

名古屋共立病院、放射線外科センターでは、日本脳神経外科専門医や医学物理士、診療放射線技師、看護師らさまざまな専門職が協力し、チームとなって治療にあたっています。

治療の流れ
マスクシステムによる治療
※マスクシステムでの治療適応の可否については医師の判断によります。
ピン固定による治療
【経過観察】
ガンマナイフの治療効果の確認には時間を要するため、定期的に画像検査(CT・MRI)を行い、担当医師による経過観察を行います。
※通常1日の照射で済みますが、分割して行う場合は1日1回の照射で、治療期間は照射回数によって決まります。腫瘍の種類に合わせて、1回から数回の照射を行います。
実績
2004年のガンマナイフ「typeC」導入以来、2024年7月までに、9,500件の治療実績を有しております。詳細は下記の通りです。
○対象期間 2004年~2024年7月
総件数 9,500 件
2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
376件 542件 580件 518件 550件 566件 573件 605件 560件 534件

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
569件 539件 525件 477件 416件 393件 297件 244件 256件 210件

2024年
170件
医師紹介

名古屋共立病院 副院長
名古屋放射線外科センター センター長

津川隆彦

【専 門】 脳神経外科、定位放射線治療
【資 格】 日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
よくある質問
自己負担が3割の場合、20万円弱となります。
また、高額療養費控除の対象治療にて還付が受けられますので、入院時にマイナンバーカードまたは限度額適用認定証を提示することで、窓口でのお支払いが自己負担限度額までとなります。
マスク治療の場合、基本的に痛みはありません。フレーム治療の場合、フレーム装着時に局所麻酔を4ヵ所にするため、少し痛みがありますが、歯医者さんの麻酔と同じくらいの痛みです。どちらの治療法でも、照射中は痛みや熱感、雑音などはありません。
治療のためのマスクと枕を作成する際は、動いてしまうと型が変形してしまうため、極力じっとしてもらいます。治療中も体動が大きいと器機が止まってしまうので、なるべく動かずにいていただきます。
患者さんの疾患や病状により、照射時間が異なりますが、1度の治療で、短い方では30分以内、長い方では4時間以上かかることもあります。
放射線照射の精度誤差は0.3㎜以内と極めて小さく、周囲の正常組織への影響はほとんどありません。
副作用はほとんどありません。治療後、パーマやヘアカラーも可能です。
治療後の状態によりますが、通常は治療の翌日から日常生活・社会復帰が可能です。
ガンマナイフは全脳照射と違い、何度でも治療することが可能ですが、基本的に1回の治療で終了です。治療後は定期的に外来にて経過観察を行います。経過観察の中で、再発が確認された際には、再度治療が必要と判断されることもあります。
名古屋放射線外科センター紹介動画