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診療科・部門
循環器内科・血管外科
主な疾患と検査・治療について
虚血性心疾患
- 症状
- 心臓の周りの血管(冠動脈)の血流が障害され、胸の痛み、締め付け感、圧迫感を生じます。時に、首や背中、みぞおち、左肩~腕に痛みを感じ、冷や汗や吐き気を伴います。
狭心症の症状は数分から長くても15分程度ですが、不安定狭心症や急性心筋梗塞の場合は症状が短期間に繰り返したり長く持続したりします。症状が無い場合もあり、知らない間に虚血性心疾患が進行して心臓の機能が障害されることもあり注意が必要です。
- 検査
- 心電図・心エコー・運動負荷心電図・ホルター心電図・心臓核医学検査・冠動脈CT・MRI・冠動脈造影(心臓カテーテル検査)
- 治療
- 狭心症は薬物療法に加え必要に応じて冠動脈カテーテル治療(PCI)を行います。急性心筋梗塞の場合は緊急PCIが必要な事が多く、その後も心臓のダメージに応じて合併症管理が必要となります。PCIでは治療する病変性状に応じて様々な機器(血栓吸引・ロータブレータ治療・薬剤溶出性ステント・薬剤コーティッドバルーンなど)を使います。
不整脈
- 症状
- 動悸・めまい・脈がとぶ・息切れ・失神など、脈が乱れることにより様々な症状がでます。
- 検査
- 心電図・ホルター心電図・運動負荷心電図・心エコー・心臓電気生理学検査(EPS)
- 治療
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- 徐脈性不整脈(洞不全症候群、房室ブロックおよび徐脈性心房細動など)は心拍数が遅くなり、めまい、失神発作、心不全を来たすことがありペースメーカ治療が必要となります。
- 頻脈性不整脈(心房頻拍、発作性上室性頻拍、心室頻拍、心室細動、頻脈性心房細動など)の治療には薬物療法や電気的除細動、カテーテルアブレーション治療があります。カテーテルアブレーション治療とはカテーテルで心臓内の不整脈を起こす原因となる異常な電気興奮の発生箇所を高周波で焼き切る治療法で、近年では心房細動に対して多く行われています。2022年4月より当院でもカテーテルアブレーション治療を開始しました。
心不全
心疾患は日本人の死因の第2位で、なかでもその多くを占める心不全患者は近年急増し(2030年には130万人)、心不全パンデミックともよばれその対策は重要と考えられています。種々の原因(虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、代謝疾患など)によって生じ、原因を見極め適切な治療を行うことが重要です。
- 症状
- 息切れ、倦怠感、ふらつき、むくみなど
- 検査
- 心エコー検査、血液検査(BNP、NT pro BNPなど)心臓カテーテル検査(冠動脈造影、右心カテーテル検査など)、心臓CTおよびMRI検査、心臓核医学検査(SPECT and PET)など
- 治療
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薬物治療、非薬物治療(弁膜症に対するカテーテルや外科的な治療、心臓再同期療法、植え込み型除細動器など)、運動療法、血行再建治療、重症心不全では補助循環装置装着、心移植など
薬物治療は従来から使用されているβ遮断薬、レニンアンジオテンシンアルドステロン系拮抗薬、利尿剤などに加え、最近2-3年の間に複数の新しい心不全治療薬が登場し、治療成績が徐々に改善してきています。また心サルコイドーシス、心アミロイドーシス、心Fabry病、中性脂肪蓄積心血管症(TGCV)などの特殊な心疾患では、それぞれの病態に応じた治療薬があり、当院では名古屋大学病院、愛知医科大学病院、藤田医科大学病院、大阪大学病院などと連携し診断、治療を行っています。また心臓再同期治療等の非薬物治療も提携する大学病院等で施行可能です。
弁膜症治療では従来からの弁膜症の外科手術(弁置換や形成術)に加え、提携施設にてカテーテルによる治療(TAVIやMitral Cripなど)も行われています。当院では心臓血管外科医師と定期的なカンファレンスを行い、患者様ごとに最適な治療法の検討を行っています。
心不全に合併する不整脈では前記のごとく抗不整脈薬等の薬物治療、カテーテルアブレーション、ペースメーカー治療、植え込み型除細動器の植え込みなどを行っています。
心臓リハビリテーションは特に重要と考え、心臓リハビリテーション指導士、循環器内科医師とともに入院および外来の心臓リハビリテーションに積極的に取り組んでいます(ウェルネスHP)。
また特に重症の心不全患者さんでは、名古屋大学病院重症心不全治療グループと連携し、植込み型補助循環装置(LVAD)装着、心臓移植治療なども行っています。
閉塞性動脈硬化症
- 症状
- 歩くと足に痛み、だるさ、などの症状が起こり、歩行困難になります。進行すると、足が冷たい・痛い・色が悪い、傷ができて治りにくいなどの症状もこの病気の可能性があります。
- 検査
- 足関節上腕血圧比(ABI)、 皮膚組織還流圧検査(SSP)、 血管エコー、CT、MRI、血管造影検査(カテーテル検査)
- 治療
- 初期段階では薬物療法と運動療法が基本で、必要に応じて血行再建(主にカテーテル治療:EVT)を行います。病状が進行すると下肢切断のリスクが高まり(包括的高度慢性下肢虚血:CLTIといいます)、血行再建(EVT・外科的バイパス術)を含めた集学的治療が必要となります。