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2024/06/20
偕行会グループ

日本経済新聞に掲載されました(外国人人材について)

2024年6月20日発刊の日本経済新聞(朝刊)にて偕行会グループが積極的に進めている外国人人材の採用について掲載されました。

また、同内容はNIKKEI ASIAにも転載されており、英語でも読むことができます。

------以下、掲載内容を転記

医療法人偕行会(名古屋市)はインドネシアで介護人材の採用に本格的に乗り出す。年内にも州政府と覚書を交わし、2025年度以降に看護大学の卒業生らを年50~60人程度採用する。同国では欧州や中東諸国との人材争奪戦が激化するが、日本は賃金水準で見劣りする。行政が採用に関わる信頼性を生かし、優秀な人材を獲得する。

偕行会は名古屋共立病院(名古屋市)など愛知県を中心にグループで病院や介護施設を運営する。神経疾患などの先端医療や陽電子放射断層撮影装置(PET)検査などの高度な健診に強みを持ち、医療ツーリズムで来日する外国人患者も多く受け入れる。

年内にもインドネシアの西スラウェシ州政府と覚書を交わす。州政府が現地の看護資格を持つ人材を募集・選考し、偕行会による面接や日本語などの研修を経て採用する。偕行会はすでに南カリマンタン州のバンジャルマシン市政府と連携し、23年度に25人を採用した。対象地域を西スラウェシ州に広げ、採用規模を大幅に拡大する。

インドネシアでは看護資格を取得しても現地の病院に正規職員として就職できないケースが多い。偕行会によると、西スラウェシ州では看護大学を卒業する学生が年間3000人程度いるが、就職先となる病院などが少なく、1000人程度が正規職員として働けないという。このため海外の病院や介護施設で働くのを希望する人が多い。

偕行会はインドネシアで病院経営の実績があり、現地の行政との連携を強みとする。州政府や市政府が採用選考に関与するため、求職者が安心して応募しやすい。日本の病院や介護施設で数年間、経験を積めば技能を向上できるとの期待も大きいという。

大学在学中から日本語を学ぶ機会も拡充する計画だ。州政府が現地の大学で日本語講座を設置し、学生への奨学金制度を検討している。早い段階で言語を学ぶことで海外での就職を考える人材を囲い込み、日本を選んでもらう狙いがある。

インドネシアは国内で就職できずに海外で実務経験を求める人が多いほか、気質も穏やかで看護や介護に携わるのに適しているという。このため各国による人材争奪戦が激しくなっている。少子高齢化が進む欧州諸国や韓国、台湾のほか、サウジアラビアやクウェートなど中東諸国もインドネシアで介護人材の獲得に動いている。

日本の場合、ネックは賃金水準だ。国が定める介護報酬が低く、事業者単位で給料を補うのは限界がある。偕行会がインドネシアで調査したところ、物価が高い欧州ではドイツやオランダの事業者が月の手取り収入で日本の3~4倍、英国は6倍で募集する例もあった。韓国やサウジアラビア、クウェートも2倍程度の水準だった。

日本では14日、技能実習に代わる新制度「育成就労」を新設する出入国管理法などの改正法が成立した。在留外国人の転職制限の緩和を主眼とする。海外人材を獲得するには都市と地方で争うだけでなく、賃金も含めて日本の競争力を高める必要がある。