偕行会グループでの取り組み

偕行会グループでは開院以来、透析患者様の合併症対策を積極的に行ってきました。
更に、透析患者様の生存率を高めるため、TGCVに対する治験・治療に取り組んでいます。

TGCV検査実施数

偕行会グループで
透析患者様66件のうち、
72%の患者様に
陽性反応がありました

*偕行会グループ調べ
2024年6月末時点

円グラフ:TGCVと診断された方5名、TGCVが疑われる方43名、陰性だった方18名

TGCVってなに?

心臓などの臓器を動かすエネルギーである中性脂肪がうまく利用されず、
心臓の筋肉や血管に異常に溜まってしまう、言わば「心臓の肥満症」です。

TGCVの心臓
心筋…心臓の筋肉(心筋)の細胞に中性脂肪が蓄積して肥大化します。血管…血管の細胞内に中性脂肪が蓄積された結果、血管の壁全体が分厚くなり、血管の流れが悪くなります。通常の血管とTGCVの血管の比較:TGCVの血管は血管の細胞に中性脂肪が溜まっており、血液が流れる部分が狭くなっている

TGCVについて詳しく解説中!

主な症状

主な症状として、胸の痛みや心臓の動きが悪くなることによる息苦しさ、
エネルギー不足による疲れやすさといった症状があります。

  • 胸の痛み
  • 息苦しさ・息切れ
  • むくみ
  • 疲れやすい

検査方法

“心筋BMIPPシンチグラフィ検査”で診断します。

中性脂肪に見立てた検査薬を投与して、中性脂肪がエネルギーとして心臓で正常に利用されているかどうかを判断します。偕行会グループでは、偕行会城西病院でこの検査を受けることができます。

検査の流れを動画でチェック!

事業部長メッセージ

医療法人偕行会
透析医療事業部 事業部長

鍋島 邦浩

TGCVはまだまだ謎の多い難病です。
だからこそ、早期発見・早期診断が重要です。

新しい病気であるTGCVは、血液透析の患者様にTGCVの頻度が高いことが報告されていますが、まだ手探りの分野と言えます。透析患者の死亡原因の第1位は心血管疾患 です。原因不明の心疾患の中にはTGCVが隠れている場合もあります。

偕行会グループは、これまでも透析患者様の合併症対策のため、定期的なスクリーニング検査や各種画像診断、人工炭酸泉や運動療法など積極的に努めてまいりました。さらに生存率を高めるため、TGCVという新規希少心疾患に対し、取り組みを始めました。これは、今後の医療の発展への大きな貢献になり得ると思います。

TGCVは早期発見・早期診断こそが決め手となります。診断の遅れは適切な治療の機会を逃すことになりかねません。この新規の難病に立ち向かうには、まず「知ること」が患者様および医療従事者にとっても重要な第一歩になると考えております。