透析のご案内
合併症対策について
フットケア
近年、糖尿病からの透析患者さまが増加しており、動脈硬化が進行している方も多くなっています。下肢の動脈硬化により血液の流れが悪くなり、放置することによって壊死を起こし、下肢切断に至る例も多くあります。
偕行会グループの透析施設では、下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)対策として早くからフットケアに取り組み、合併症の予防や早期発見・治療に努めています。
透析運動療法
透析患者さまは、一般の方に比べて体力・筋力が半分程度に低下すると言われていますが、透析中の運動は体力・筋力を向上させるだけでなく、透析中の血液循環を高め「透析の質」向上にもつながります。当院では、患者さまにあわせた無理のない運動メニューを作成し、実践しています。
人工炭酸泉
当院では、高濃度人工炭酸泉の足浴を推進しています。炭酸泉治療は血液循環の改善に大きな効果があり、末梢動脈疾患(PAD)患者さまの下肢切断の回避や予後改善に貢献しています。また、座位を保持することが難しい患者さまにおいては、炭酸ミストを活用しベッドで寝たままの体勢で炭酸泉治療を受けることも可能です。
人工炭酸泉
炭酸ミスト治療
食事・栄養指導
快適な透析ライフのためには、食事療法はとても大切です。管理栄養士が食事や栄養に関する相談を定期的に行っています。
透析後は広々としたスペースで「日替りランチ(1食550円 税込)」をお召し上がりいただくことが可能です。
透析室日替わりランチ(一例)
検査
胸部レントゲン撮影やシャントエコー検査、血液検査、ABPI(足と腕の血圧の比)、心電図など様々な検査を実施しています。また、院内でCTやMRI検査も可能で、状態を高い精度でチェックしています。
シャントエコー検査
ABPI検査
CT検査
■心臓アンモニアPET検査(名古屋放射線診断クリニック:中川区)
心臓の血液の流れや動きを調べ、狭心症や心筋梗塞、心筋症などの病気の有無やその程度を診断します。
日本には400近くのPET検査施設がありますが、この検査を行っている施設は限られています。
■心臓カテーテル検査(名古屋共立病院:中川区)
虚血性心疾患の診断法の代表として、最も信頼度の高い検査は心臓カテーテル検査です。これはカテーテルと呼ばれる細い空洞のチューブを手首、肘または足のつけねから冠状動脈まで挿入し、造影剤を流して映し出す検査です。
検査で異常が認められた場合には、バルーン(風船)やステント(金属の網)を用いた治療も可能です。
バスキュラーアクセス治療(当院/偕行会セントラルクリニック:中川区)
バスキュラーアクセス(シャント)は血液透析を行うためになくてはならない命綱と言えるものであり、いかに長持ちさせるかが大切です。治療が必要な場合は、当院もしくはグループ内の偕行会セントラルクリニックにて、患者さまの症状に応じてPTA(経皮的血管形成術)もしくは手術を行います。
偕行会城西病院手術室
偕行会城西病院シャントPTA実施日
金曜日
午前
偕行会セントラルクリニック
シャント手術の様子(偕行会セントラルクリニック)
偕行会セントラルクリニック(バスキュラーアクセスセンター)についてはこちらから
PAD治療(名古屋共立病院:中川区)
PAD(末梢動脈疾患)は、足の動脈に硬化が起こり血管が狭くなったり詰まったりすることで、下肢の血液の流れが悪くなる疾患です。病状が重症化することを重症下肢虚血と呼び、透析患者さまは特に注意が必要です。
偕行会グループでは、PADの検査・治療に積極的に取り組み治療効果を上げています。
■薬物治療
高血圧や糖尿病など動脈硬化の原因となる病気の治療など
■血管内治療
バルーン・ステントによる治療など
■外科的血行再建治療
血栓内膜摘出術・バイパス手術など
■その他
運動療法・人工炭酸泉治療など